死者との交信

「わたしは、われわれの人格が他の生命体や別の宇宙に移動するかどうか確たる判断を下しかねている。今のところ、誰にもはっきりとはわかっていない。どんなに微細なメッセージであろうとも、われわれ以外の生命体や別の宇宙から送られてきているものがあると仮定すれば、それを受け取るには占い師や霊媒師以外により科学的な受信装置が考案できると思う。また、同時にこちらの意思を通信できる装置もできるはずである」エジソンの考えていた霊とのコミュニケーション装置は、人間の脳(意識)から出るエネルギーを拡大し、未知の領域に入っていこうとするものである。
  研究所で働く同僚の中から、テレパシーなど超自然現象に最も懐疑的な人物を選んでは、彼らの頭から出る電波をキャッチすると称して、コイルでぐるぐる巻きにするような実験を繰り返していった。実験台にされた同僚たちには不評であったらしいが、エジソンは真面目そのものだったという。

 彼の思索と実験は更に続けられた。エジソンの関心は、この知性の電子をとらえ、その集合体とどのようにコミュニケートするか、という方向に絞られてきた。もし、このようなコミュニケーションが可能になれば、人類や宇宙の過去の記憶を引き出すことができるはずである、と考えたわけである。
  われわれの人格を左右する、これら生命体は肉体が滅びた後は、新たな宿り先を求めて移動を繰り返す、と考えたエジソンは、彼らが発する残された生命体へのメッセージを受信できる機械も作れるに違いないと思った。日記の中で「理論はおおむね解明してあるので後数年あれば実験段階に入れる。」と自信を持って書き残してある。しかし、残念ながらエジソンは実験初期で帰らぬ人となってしまった。